- 子育てコラム
「はこの形」小学2年生算数の家庭学習ガイド

「うちの子、算数の図形が苦手で…」「『はこの形』って何を教えればいいの?」そんな悩みを抱えている保護者の方は多いのではないでしょうか。
小学校で学ぶ図形の単元は、将来の数学学習の基礎となる大切な分野です。特に立体図形の理解は、お子さんの空間を把握する力や物事を筋道立てて考える力の成長に大きく関わってきます。学校のはこの形の授業だけでは理解が難しい子どもも、家庭学習で一人一人のペースに合わせて学ぶことで、確実に力を身につけることができます。
この記事では、親子で楽しく取り組める立体図形学習の方法を詳しくご紹介します。身近な材料を使った実践的な方法で、お子さんの図形への理解を深めていきましょう。
まず知っておきたい「はこの形」で扱う立体図形学習のポイント
この勉強で子どもに身につく力って?
空間を理解する力が育つ
はこの形の単元では、単に箱の特徴を覚えるだけでなく、頭の中で立体的に物事を考える力を育てます。これは将来の数学学習だけでなく、建築やデザイン、プログラミングなど様々な分野で必要となる大切な能力なんです。子どもたちは実際に箱に触れ、観察し、組み立てることで、この力を自然と身につけていきます。
また、立体を平面で表現する能力も同時に育てられます。箱を切り開くと平面図形になり、それを再び組み立てると立体になるという体験は、図面や地図を読む力の基礎にもなります。
なぜ?どうして?を考える力が伸びる
「なぜこの面を選ぶと箱ができるのか」「どうして辺の長さが合わないと隙間ができるのか」といった疑問を通して、原因と結果の関係を考える力が育ちます。これは科学的思考の基礎となる大切な能力です。
さらに、分類や比較の活動を通して、共通点と相違点を見つける力も育てられます。立方体と直方体の違いを考えることで、物事を多角的に捉える視点が養われます。
自分の発見を言葉で伝える力がつく
はこの形の単元では面、辺、頂点という専門用語を正しく使いながら、自分の発見や考えを言葉で表現する力を育てます。これは数学的なコミュニケーション能力の基礎となり、将来の学習でも重要な役割を果たします。
子どもの発達に合わせた教え方のコツ
手を使って体験することから始める
小学校低学年の子どもは、難しい説明よりも実際に手を動かして体験することで理解を深めます。そのため、実際に箱を触ったり、分解したり、組み立てたりする活動がとても大切なんです。
子どもたちは最初、箱を全体的な形として捉えます。「四角い箱」「細長い箱」といった直感的な分類から始まり、徐々に面の数や形、辺の長さといった細かい部分に着目できるようになります。この段階を飛ばして理論的な説明をしても、子どもには理解が困難です。
一人一人のペースを大切にする
空間を理解する能力には大きな個人差があります。直感的に立体を理解できる子どもがいる一方で、じっくりと時間をかけて体験を積み重ねる必要がある子どももいます。特に、平面的な思考が得意な子どもにとって、立体的な思考への転換がハードルになる場合もしばしば。
また、目で見て学ぶのが得意な子ども、手で触って学ぶのが得意な子ども、言葉での説明を好む子どもなど、学習スタイルも様々です。家庭学習では、お子さんに最も適したアプローチを見つけることが大切です。
苦手な子のつまづきポイントと対策方法
「面」って何?が分からない
多くの2年生が「面」という考え方でつまずきます。日常生活では「表面」という言葉をよく使いますが、数学での「面」は平らな部分一つ一つを指します。箱の正面だけでなく、側面や底面も全て「面」であることを理解するのに時間がかかる子どもが多いです。
また、面は平らな広がりを持つものですが、子どもたちは最初、点や線のように捉えがちです。手のひら全体で面を触らせ、「ここ全部が一つの面だよ」と説明することが大切です。
「辺」と「頂点」を混同してしまう
辺は線、頂点は点という違いがありますが、見た目では区別が難しい場合があります。特に、角の部分を指して「これは何?」と聞かれたとき、辺なのか頂点なのか迷う子どもが多いです。
辺は「面と面の境界線」、頂点は「辺と辺が出会う点」という説明だけでなく、実際に指でなぞらせたり、印をつけたりして体感させることが大切です。
数の法則と立体の結びつけができない
「どの箱も面が6つ、辺が12本、頂点が8つ」という決まりは、暗記するものではなく発見するものです。ただ暗記のように法則を理解しても、手触りを持って実際に理解できていないとすぐに抜け落ちてしまいがち。学習ではよく「具体と抽象をいったりきたりする能力」が必要と言われますが、実際に手で触れる箱という具体、数の法則性の暗記という抽象の両方のアプローチができるとよいですね。子どもたちが実際に数える活動を通して、この決まりに気づいたときの驚きと喜びが、学習への興味にもつながりますよ。
家庭学習をはじめる前にまずは準備から

勉強する場所を整える
机の上をきれいにする
立体図形の学習では、様々な材料を使った活動が中心となります。十分な作業スペースを確保し、床にも新聞紙やシートを敷いて、のりやはさみを使った作業ができる環境を整えましょう。
また、作成した作品や途中の作業を保存できるスペースも大切です。子どもの作品を大切に保管することで、学習への意欲が高まります。写真で記録を残すのも効果的です。
時間の使い方
一つの活動に集中できる時間は、年齢によって異なります。小学校低学年では15〜20分が目安ですが、興味を持った活動には予想以上に長時間集中することもあります。時間を区切ることも大切ですが、子どもが夢中になっているときは、ある程度続けさせてあげることも大切です。
逆に、集中力が切れているときは無理に続けず、別の日に改めて取り組むという柔軟性も必要です。
保護者の関わり方
家庭学習では、保護者が「先生」になる必要はありません。むしろ、子どもと一緒に発見を楽しむ「学習パートナー」としての役割が大切です。「一緒に数えてみよう」「どうなるか試してみよう」という姿勢で臨みましょう。
また、子どもの発見や気づきを認めることも大切です。「よく気づいたね」「面白い発見だね」といった言葉かけで、子どもの探究心を育てることができます。
準備する材料と道具
基本的な箱類
様々な形と大きさの箱を用意します。ティッシュ箱、お菓子の箱、靴箱、小さな薬の箱など、できるだけ多様なものを集めましょう。立方体に近い形、細長い直方体、平たい直方体など、形の特徴が異なるものがあると学習効果が高まります。
また、同じ形で大きさが違う箱のペアがあると、形の特徴は変わらないことを学ぶことができます。
作業用具
はさみ、のり、セロハンテープ、定規、鉛筆、色鉛筆、マジックペンなどの基本的な文房具に加えて、方眼紙や色紙があると活動の幅が広がります。
特に方眼紙は、正確な図形を描いたり、面積を比較したりするのに便利です。1cm方眼のものを用意しておきましょう。
立体を作るための材料
つまようじ(竹ひごの代用)、小さな粘土玉やマシュマロ(頂点の代用)、ストロー、モールなど、立体の骨組みを作るための材料を用意します。これらの材料で作った立体は、面が透けて見えるため、内部の構造の理解に役立ちます。
印をつけるための材料
シール(丸シール、番号シール)、マスキングテープ、色付きの輪ゴムなど、面や辺、頂点に印をつけるための材料があると、数える活動がスムーズに進みます。
ステップ別!「はこの形」の体系的な学習の進め方
STEP1:色々な箱に親しむ
まずは家にある箱を集めてみる
まずは家の中にある様々な箱を集めることから始めます。この活動自体が大切な学習です。子どもたちは普段何気なく見ている物に改めて注目し、「箱」という共通点で分類することで、抽象化の第一歩を踏み出します。
集める際は、「箱の形をしているもの」という条件を明確にして、円柱や球は除外することを確認しましょう。ただし、最初から厳密に決めるのではなく、子どもが「これは箱かな?」と疑問に思ったものは一緒に考えてみることが大切です。
じっくり見て触ってみる
集めた箱を前にして、まずは自由に触らせ、気づいたことを話してもらいましょう。「大きい」「小さい」「重い」「軽い」といった全体的な印象から、「角がある」「平らな部分がある」といった形の特徴まで、子どもなりの言葉で表現させることが大切です。
次に、「平らな部分」に注目させます。手のひらを使って「ぺたっと」触れることのできる部分が「面」であることを、体験を通して理解させましょう。最初は「平らなところ」「ぺたんこのところ」といった子どもの言葉で構いません。
似ているところと違うところを見つける
複数の箱を比較して、共通点と相違点を見つける活動を行います。「同じところはどこかな?」「違うところはどこかな?」という問いかけから始めて、子どもの気づきを引き出しましょう。
この段階では、「全部四角い」「角がある」「平らな部分がある」といった共通点に気づかせることが主な目標です。相違点としては「大きさが違う」「色が違う」「模様が違う」といった表面的な違いから、「細長い」「正方形っぽい」といった形の違いまで、子どもの発達段階に応じて導いていきます。
STEP2:めん・へん・ちょうてんを覚える
「面」が何なのかを教える
面の考え方を理解させるには、段階的にアプローチしたいところです。まず、一つの箱を取り上げて、「この箱の平らな部分を全部見つけてみよう」という活動から始めます。
子どもと一緒に箱を回転させながら、「ここも平らだね」「こっち側も平らだね」と確認していきます。最初は見えている面だけに注目しがちですが、「裏側はどうなっているかな?」「下はどうなっているかな?」と問いかけて、見えない面にも気づかせましょう。
面を紙に写し取る活動も効果的です。箱の一つの面を紙に当てて、鉛筆でなぞることで、立体の面が平面図形として表現できることを体験させます。この活動を通して、正方形や長方形といった平面図形の復習にもなります。
「辺」を分かりやすく教える
辺の考え方は、面よりもさらに理解が困難です。「面と面が出会うところ」「面の境界線」といった説明だけでなく、実際に指でなぞる活動が大切です。
一つの面から出発して、その周りをぐるっと一周指でなぞらせます。「この線を『辺』って言うんだよ」と説明しながら、辺が線であることを理解させましょう。
色付きのテープやマジックペンで辺に印をつける活動も効果的です。最初は一つの面の周りの4本の辺に同じ色をつけ、次に隣の面の辺に違う色をつけるといった方法で、辺の考え方を視覚化できます。
「頂点」を触って覚える
頂点は「角」として子どもたちにも馴染みがありますが、数学的には「点」であることを理解させる必要があります。指先で実際に角を触らせ、「ここは点のようになっているね」「針の先のように尖っているね」と説明しましょう。
小さな粘土玉やシールを頂点に貼り付ける活動で、頂点を視覚化することも有効です。この時、「辺が集まってくるところ」「3つの面が出会うところ」といった説明も加えて、頂点と他の要素との関係も理解させましょう。
STEP3:数を数えてパターンを見つける
間違えずに数える方法
面、辺、頂点を数える活動では、数え間違いを防ぐための工夫が大切です。面を数える場合は、「上、下、前、後、左、右」という順序を決めて、シールを貼りながら数えます。
辺を数える場合は、まず上の面の4本の辺にシールを貼り、次に下の面の4本の辺、最後に上下をつなぐ4本の辺という順序で進めます。12本という数は子どもには多いので、「上の面4本、下の面4本、つなぐ辺4本で全部で12本」といった区分けで理解させましょう。
頂点については、上の面の4つの頂点、下の面の4つの頂点という分け方で、8個であることを確認します。
どの箱も同じ数になる秘密
複数の箱で面、辺、頂点の数を調べた後、「どの箱も同じ数だね」という決まりに気づかせます。この発見は子どもたちにとって大きな驚きです。「大きさが違っても同じ数」「形が少し違っても同じ数」ということから、立体図形の本質的な特徴を理解する第一歩となります。
さらに、「なぜ6、12、8という数になるのか」を一緒に考えることで、論理的思考を育てることができます。「箱には上下があるから面は2つ、前後があるから2つ、左右があるから2つで、全部で6つ」といった説明を子どもなりの言葉で表現させましょう。
STEP4:箱を切り開いて組み立てる
箱を平らにしてみる
牛乳パックや小さな空き箱を切り開く活動は、子どもたちにとって非常に興味深い体験です。「立体が平面になる」という現象は、空間を理解する能力の発達に大切な役割を果たします。
切り開く前に、「この箱を切って平らにしたら、どんな形になるかな?」と予想させることも大切です。子どもなりの予想を聞いた後で実際に切り開き、予想と結果を比較することで、思考力を育てることができます。
切り開いた展開図を見ながら、「ここが上の面」「ここが前の面」といったように、元の立体との対応関係を確認します。この活動により、立体を頭の中で回転させたり変形させたりする能力が育ちます。
面をつなげて箱を作ってみる
展開図から立体を組み立てる逆の活動も大切です。最初は切り開いた元の箱を組み立て直すことから始めて、慣れてきたら新しい展開図から箱を作る活動に挑戦します。
この活動では、「どの辺とどの辺をつなげばよいか」「辺の長さが合わないとどうなるか」といった問題に直面します。試行錯誤を通して、立体を作る決まりを発見させることが大切です。
うまくいかないときの理由を探る
意図的に組み立てがうまくいかない展開図を用意して、「なぜうまくいかないのか」を考えさせる活動も効果的です。辺の長さが合わない、面の配置が適切でないといった問題を通して、正しい組み立て方の条件を発見させましょう。
「隙間ができる」「重なってしまう」といった失敗体験から学ぶことで、立体を作ることへの理解が深まります。
STEP5:つまようじで箱の骨組みを作る
辺と頂点で立体を表現する
つまようじと粘土玉を使った立体の骨組み作りは、面が見えない状態で立体を理解する高度な活動です。これまでの学習で「辺が12本、頂点が8個」ということを理解していても、実際に組み立てるのは困難です。
最初は立方体から挑戦します。すべて同じ長さのつまようじを使うので、比較的組み立てやすいです。「正方形を2つ作って、それを4本のつまようじでつなぐ」という手順で進めると成功しやすいです。
完成した骨組みを実際の立方体と比較して、「同じ形だね」「面がないけど箱と同じ形だね」といった気づきを促しましょう。
直方体にも挑戦!
立方体ができるようになったら、長さの違うつまようじを使って直方体に挑戦します。「長いつまようじが4本、中くらいのつまようじが4本、短いつまようじが4本」という材料で、どのように組み立てるかを考えさせます。
この活動では、「同じ長さの辺がどこにくるか」を理解することが大切です。実際の直方体を観察しながら、「長い辺はここと、ここと、ここと、ここ」といったように確認させましょう。
STEP6:ふたのない箱を考える
5つの面で箱を作る
日常生活でよく見るふたのない箱(収納ボックスなど)を作る活動は、実用性もあり子どもたちの興味を引きます。「6つの面のうち1つがない」という理解から始めて、「どの面をなくすか」「残り5つの面をどうつなげるか」を考えさせます。
方眼紙を使って実際に設計図を描く活動では、展開図の理解がより深まります。「底面から始めて、四方に側面をつける」という基本的な構成を理解させた後、様々なサイズや形のふたのない箱作りに挑戦させましょう。
立方体と直方体を見比べる
同じ立体でも、立方体(すべての面が正方形)と直方体(長方形の面を含む)には違いがあります。面の形、辺の長さの種類、見た目の印象など、様々な観点から比較させます。
「立方体は特別な直方体」という数学的な関係も、子どもの発達段階に応じて紹介できます。「正方形は特別な長方形」という既習事項と関連付けることで、図形の関係への理解の基礎を築けます。
もっと楽しく!「はこの形」の発展的な学び

はこの形と日常生活との関連づけ
建築物の観察
家の外に出て、建物を立体図形の視点で観察する活動は、学習内容と実生活をつなぐ大切な体験です。「あのビルは大きな直方体だね」「家も直方体が組み合わさってできているね」といった気づきから、立体図形が身の回りにあふれていることを実感させます。
さらに、「なぜ建物は直方体が多いのか」といった疑問から、機能性や効率性について考える機会も提供できます。
パッケージデザインの分析
商品のパッケージを立体図形の視点で分析する活動も興味深いです。「なぜこの形にしたのか」「どうやって作っているのか」といった疑問から、デザインと機能の関係を考えることができます。
創造的な活動
オリジナル立体の設計
学習した知識を活用して、子ども自身が新しい立体を設計する活動は、創造性と論理性を同時に育てます。「こんな箱があったらいいな」というアイデアから出発して、実際に設計図を描き、材料を切って組み立ててみます。
失敗も含めて試行錯誤する過程で、立体を作ることへの理解がより深まります。また、「なぜうまくいかなかったのか」を振り返ることで、問題解決能力も育ちます。
立体アートの制作
複数の立方体や直方体を組み合わせて、立体的な作品を作る活動も楽しいです。積み木のように重ねたり、つなげたりして、より複雑な立体を構成します。この活動を通して、立体の組み合わせや配置について学ぶことができます。
困ったときはどうする?解決のヒント
理解の困難さへの対応
目で見て分かりやすくする工夫
言葉だけでは理解が困難な子どもには、目で見て分かる工夫を積極的に活用しましょう。面には色紙を貼る、辺には色付きテープを貼る、頂点には目立つシールを貼るといった方法で、抽象的な考え方を視覚化します。
また、実物と図形の対応表を作って、常に参照できるようにしておくことも効果的です。
手で触って覚える学習を重視する
目で見ることが困難な子どもには、触覚を活用した学習が有効です。目を閉じて手だけで立体を探索させる、粘土で立体を作らせるといった活動で、触覚による立体認識を育てます。
段階的な指導
すべてを一度に理解させようとせず、一つの考え方をしっかりと定着させてから次に進むことが大切です。面の考え方が不安定なまま辺の学習に進んでも、混乱が生じるだけです。
特に、抽象的思考が苦手な子どもには、具体的な操作活動を十分に経験させることが必要です。
やる気を維持するコツ
小さな成功を積み重ねる
小さな成功を積み重ねることで、学習への意欲を維持できます。「面を6つ数えることができた」「きれいに展開図が描けた」「つまようじで立方体ができた」といった具体的な成果を認めることが大切です。
実用性を強調する
学習内容が日常生活でどのように役立つかを具体的に示すことで、子どものやる気を高めることができます。「この知識があると、部屋の片付けが上手になるよ」「将来、家を建てるときにも役立つんだよ」といった具体例を挙げましょう。
具体的な困りごとへの対処
「数え方が分からない」とき
子どもが面や辺、頂点を数えられないときは、決まった順序で一緒に指差しながら数えましょう。「上から下へ」「左から右へ」など、ルールを決めると子どもにも分かりやすくなります。シールや色分けを使って、数えた部分が分かるようにすることも効果的です。
「組み立てがうまくいかない」とき
箱がうまく組み立てられないときは、つなぐ辺の長さが同じかどうかを子どもと一緒に確認しましょう。定規で測りながら「この辺は3センチ、この辺は4センチだから合わないね」と具体的に説明します。また、実際の箱を参考にして、正しいつなぎ方を確認することも大切です。
「立方体と直方体の違いが分からない」とき
さいころ(立方体)とティッシュ箱(直方体)を実際に手に取って比較させましょう。子どもには「さいころは全部正方形、ティッシュ箱は長方形がある」という違いを実際に見せることが一番効果的です。面を紙に写し取って、形の違いを確認するのも良い方法です。
「集中力が続かない」とき
子どもの集中力に合わせて、一つの活動を10〜15分で終わるように調整しましょう。「今日は面を数えられたね」「つまようじで上手に作れたね」と小さな成功を認めることで、次への意欲につながります。無理に続けるより、「また明日やろうね」と区切りをつけることも大切です。
学習の仕上げチェック
理解度の確認方法
簡単な質問で確認する
子どもの理解度を確認するには、「箱の面はいくつある?」「辺は何本?」「頂点はいくつ?」といった基本的な質問から始めましょう。答えられるようになったら、実際に数えさせて確認します。「なぜそうなるの?」という理由も聞いてみると、理解の深さが分かります。
実際に作らせてみる
子どもが一人で立体を作れるかどうか挑戦させてみましょう。つまようじと粘土玉で立方体が作れる、紙で簡単な箱が作れるなど、実際の作業を通して理解度を確認できます。途中で困ったときのヒントの出し方も、理解度を測る手がかりになります。
日常生活での応用
普段の生活の中で、「これは何の形かな?」と聞いてみたり、「面はいくつあるかな?」と質問したりして、学習内容が定着しているかを確認しましょう。自然な会話の中で確認できるので、子どもにとってもプレッシャーが少ない方法です。
3年生への準備
次の学習への橋渡し
立体図形をしっかり理解できれば、3年生で学ぶ球の学習や、より複雑な立体図形の理解もスムーズになります。図形への興味と基礎的な考え方が身についていることが大切です。
また、図形の学習は算数だけでなく、理科や社会科でも活用される場面が多くなります。空間を理解する力は、地図の読み取りや物体の観察など、様々な場面で役立ちます。
継続学習のコツ
学習が終わっても、日常生活の中で図形に関心を持ち続けることが大切です。建物を見るとき、商品のパッケージを見るとき、「これはどんな形かな?」と声をかけることで、学習内容を生活に定着させることができます。
まとめ
立体図形の学習は、図形理解の大切な出発点です。家庭学習では、学校とは違って一人一人のペースに合わせてじっくりと取り組むことができます。
身近な材料を使い、親子で楽しみながら学ぶことで、子どもでも立体図形の考え方をしっかりと身につけることができます。焦らず、子どもの小さな発見や成長を大切にしながら、一緒に学習を進めていきましょう。
立体図形への理解が深まることで、お子さんの図形学習への自信と興味が育まれることでしょう。この経験は、将来の数学学習だけでなく、物事を多角的に考える力や空間を理解する力の基礎となり、様々な場面で役立つはずです。
何より大切なのは、親子で一緒に「発見する楽しさ」を共有することです。お子さんの「なるほど!」という瞬間を大切にしながら、楽しい学習時間を過ごしてください。