2024.03.10
  • 子育てコラム

発達障害児はお風呂が嫌い?毎日大変なママの心構えと対処法

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子供がお風呂を嫌がることは、よくあることです。特に、発達に凸凹がある子供の場合は、お風呂タイムが一苦労だったりしますよね。シャンプーを嫌がる、湯船から出ようとしない、着替えに時間がかかる…。そんな悩みを抱えているご家庭も多いのではないでしょうか。でもよくよく考えてみると、子供なりの理由があって、お風呂を嫌がっているのかもしれません。ここでは、そんな子供の気持ちを理解しながら、家庭でできる工夫をご紹介します。

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発達障害児がお風呂が苦手な理由

まず、なぜ子供がお風呂を嫌がるのか、その理由を知ることが大切です。発達の特性からくる、ちょっとした苦手意識が関係しているかもしれません。

水が目に入るのが怖い

発達障害児は水泳が苦手な子も多いのですが、その理由としては目に水が入ることの怖さです。これはお風呂でも同様で、顔を洗ったり、シャンプーをしたりといった一連の流れの中で、お湯が目に入ることへの恐怖心が、他の子よりも大きいのです。でも、その気持ちって誰もが子供の頃に持っていたものですよね。だからこそ、親がしっかり理解し、共感してあげたいポイントです。

お湯の暑さに敏感(感覚過敏)

子供の中には、感覚過敏の診断がつく場合など敏感な子がいます。シャワーの水圧が強すぎたり、お湯の温度が熱すぎたり、タオルの肌触りが気になったり。大人には気にならないことでも、子供にとっては不快に感じることがあるのです。

感覚過敏には、聴覚過敏、視覚過敏、触覚過敏、嗅覚過敏などがあります。子供によって、敏感に感じる感覚は異なります。例えば、聴覚過敏の子供は、お風呂場の響きが苦手かもしれません。視覚過敏の子供は、照明の明るさが気になるかもしれません。触覚過敏の子供は、肌に水が触れる感覚が不快に感じるかもしれません。子供の反応をよく観察して、どの感覚が敏感なのか、見極めることが大切です。

変化への適応の難しさ

また、発達障害の子供の中には急な変化についていけない子供もいます。「いつもと違う」ことへの抵抗感から、お風呂を嫌がることも。シャンプーの順番が違う、入浴剤の香りが変わった、そんな小さな変化でも、子供は戸惑ってしまうのです。

また、発達障害のある子供の中には、同じことの繰り返しを好む子が多いです。毎日の生活の中で、ルーティンが確立されていると安心するのです。お風呂に入るタイミングが変わることで、「いつもと違う」と感じ、不安になってしまうのかもしれません。子供が変化に適応しやすいよう、事前にお風呂に入るタイミングを予告したり、視覚的な支援を使ったりと、工夫が必要です。

自分の気持ちを伝えるのが苦手

さらに、自分の気持ちを言葉で伝えるのが苦手な子供の場合、お風呂を嫌がる理由が分かりづらいことも。「嫌だ」「やだ」と拒否するだけで、具体的に何が嫌なのか、伝えられないのです。

発達障害のある子供は、自分の感情を言葉で表現することが難しいことがあります。「お風呂が嫌だ」という気持ちはあるのに、それを上手く伝えられないもどかしさがあるのです。子供の表情や行動から、気持ちを汲み取ることが大切です。「お風呂が嫌なのはどうしてかな?」と、子供の気持ちに寄り添いながら、一緒に考えてみましょう。

気持ちの切り替えが難しい

発達障害のある子供は、気持ちの切り替えが苦手な傾向があります。例えば、テレビを見ていたり、大好きなおもちゃで遊んでいたりするときに、急に「お風呂に入ろう」と言われても、そのときの楽しい気持ちを切り替えるのが難しいのです。「あと5分」「もう少しだけ」と、なかなか遊びを止められない、そんな経験って大人でもありませんか?

発達障害児は、ある活動に集中すると、他のことに注意を向けるのが難しくなります。これは、「切り替えの困難さ」と言われる、ありがちな困り感の一つです。お風呂に入る前に、テレビを消す、おもちゃを片付けるなど、子供が今の活動を終えるための時間を十分に取ることが大切です。また、「お風呂の時間になったら、○○しようね」と、次の活動を具体的にイメージできるように伝えることも効果的です。

お風呂が苦手な子供への対応のコツ

子供がお風呂を嫌がる理由が分かったら、どう対応すればいいのでしょうか。ここでは、家庭でできるちょっとした工夫をご紹介します。

入浴前の準備を整える

入浴前の準備を整えることで、子供の不安を和らげることができます。

入浴の順番や時間をある程度決めておく

「お風呂の前にはご飯を食べるんだよ」「お風呂は7時からだね」など、入浴の見通しを持たせることで、子供は心の準備ができるようになります。

絵カードや写真で入浴の流れを説明する

「脱衣→シャワー→体洗い→シャンプー」など、入浴の一連の流れを絵や写真で示すのも効果的。目で見てわかるので、子供も安心して入浴に臨めます。

タイマーを使って、残り時間を視覚的に伝える

「あと10分でお風呂から上がろうね」と言葉で伝えるだけでなく、タイマーを使って残り時間を視覚的に示すのもおすすめ。子供も、見通しが持てるようになりますよ。

子供に合わせた環境を整える

子供の感覚の特性に合わせて、お風呂の環境を整えることも大切です。

風呂の水温は子供の好みに合わせる

他の家族がちょうどいいと思っている水温が、実は「熱い」と感じているかも。子供の好みに合わせて調整しましょう。

子供の好きなおもちゃや本を用意する

お風呂場で使えるお気に入りのおもちゃや絵本を用意するのも、お風呂タイムを楽しくする工夫の一つ。お風呂の壁に貼れるお絵描きセットもおすすめです。子供が夢中になれるものを一緒に探してみてくださいね。

照明の調整や、BGMを取り入れる

明るすぎる照明が苦手な子供には、間接照明にするのもおすすめ。防水のスピーカーを買って、お気に入りのアニソンや童謡をかけるのも、ノリノリになってくれるかも♪

他にも、感覚過敏への配慮の具体例としては、以下のようなものがあります。

  • 聴覚過敏の子供には、耳栓やイヤーマフを用意する
  • 視覚過敏の子供には、目を刺激しない柔らかい色のタオルを選ぶ
  • 触覚過敏の子供には、肌触りの良いタオルを用意する

子供一人ひとりに合わせた環境作りを心がけることが、お風呂タイムをより快適にするポイントです。

子供とのコミュニケーションを工夫する

子供とのコミュニケーションの取り方を工夫することも、お風呂タイムをスムーズにするコツです。

短く、具体的な言葉で伝える

「頭を洗って」より「シャンプーするよ」、「体を洗って」より「お腹を洗うよ」など、具体的で短い言葉を選ぶことが大切。子供にも、伝わりやすくなります。

子供の頑張りを認め、ほめる

「シャンプー、上手にできたね」「体、きれいに洗えたね」「今日は30数えるまで湯船につかれたね」など、子供の頑張りを具体的にほめてあげましょう。子供のやる気にもつながります。

子供の気持ちを受け止め、代弁する

「お湯が熱くて嫌だったんだね」「シャンプーが目に入って痛かったんだね」など、子供の気持ちを代弁してあげることも大切。子供の気持ちを理解しようとする姿勢が、信頼関係を築くことにつながります。

遊びから入浴への切り替えを助ける

テレビやおもちゃに夢中になっている子供に、「お風呂に入ろう」と声をかけても、なかなか気持ちを切り替えられないことがありますよね。そんなときは、こんな工夫を試してみてください。

事前に遊びの終わりを伝えて見通しを持たせる

「あと10分でお片付けだよ」「次のCMが入ったら、テレビを消してお風呂に入ろうね」「時計の長い針が6に来たらお風呂だよ」など、事前に遊びの終わりを伝えておくことで見通しが立ち、子供も心の準備ができます。

お気に入りのおもちゃを一緒にお風呂場へ!

「これ、お風呂場に持っていってもいいよ」と、お気に入りのおもちゃを一緒にお風呂場に持っていくのも一つの方法。子供の気持ちに寄り添いながら、少しでもお風呂を楽しい場所だと認識してもらうことが大切です。気持ちの切り替えを助けてあげましょう。

遊びとお風呂を関連づけるとお風呂=楽しいのイメージに

「お人形さんもお風呂に入れてあげようか」「おもちゃの車も洗車しようね」など、遊びとお風呂を関連づけるのも効果的。子供も、遊びの延長としてお風呂を楽しめるかもしれません。

子供が今している遊びを大切にしながら、お風呂への気持ちの切り替えを助けることが大切です。

ゆっくり、段階的に慣れさせていく

お風呂に慣れるまでには、時間がかかるもの。焦らず、ゆっくりと段階を踏んでいきましょう。

できることから少しずつ。スモールステップで

最初は、お風呂場に入るだけでもOK。着替えは脱衣所ですませるなど、できることから始めましょう。徐々にステップアップしていくことが、子供の自信にもつながります。

子供のペースを尊重する

「今日は疲れているから、シャンプーだけにしようか」など、その日の子供の体調や気分に合わせて、柔軟に対応することも必要。焦って叱ってしまってはせっかくの努力が水の泡。子供のペースに合わせることが何より大切です。

お風呂以外の場面での気持ちの切り替えへの対応

お風呂だけでなく、日常生活の様々な場面で、子供は気持ちの切り替えに難しさを感じているかもしれません。ここでは、そんな場面での対応策をご紹介します。

予告の重要性と具体的な方法

急な変化は、子供を混乱させてしまいます。活動が切り替わる前に、事前に予告することが大切です。

時計やタイマーを使う

「あと10分で片付けの時間だよ」と伝えるときに、砂時計やタイマーを使って、残り時間を視覚的に示すのも効果的。子供も、時間の経過を意識しやすくなります。

次の活動を具体的に伝える

「公園から帰ったら、お昼ご飯を食べようね」「宿題が終わったら、好きなおもちゃで遊んでいいよ」など、次の活動を具体的に伝えることで、子供も見通しを持ちやすくなります。

切り替えを助ける工夫

子供が今の活動に集中している時は、気持ちの切り替えが難しいもの。そんな時は、こんな工夫を試してみてください。

お気に入りのおもちゃを活用する

「ぬいぐるみのくまさんも、一緒に片付けをしようね」と、お気に入りのおもちゃを活動に取り入れるのも一つの方法。子供も、楽しみながら切り替えができるかもしれません。

歌やリズム遊びを取り入れる

「お片付けの歌、歌いながら片付けようね」と、歌やリズムに合わせて活動を切り替えるのも効果的。歌詞なんてめちゃくちゃでOK 笑 なので、乗せてあげましょう。子供も、自然と次の活動に移れるかもしれません。

切り替えが難しい時は、子供の好きなものを活用するのがポイントです。お気に入りのおもちゃや、好きな歌を取り入れることで、子供の興味を次の活動に向けることができます。また、「あと2回ブランコをこいだら、帰ろうね」と、具体的な回数を示すのも、切り替えを助ける工夫の一つです。

よくある質問

最後に、お風呂を嫌がる子供への対応に関する、よくある質問と答えをご紹介します。

Q. お風呂に入らない子供を無理に入れてもいい?

A. 無理に入れることは避けましょう。特に夏場など衛生面とのバランスは考える必要がありますが、1日お風呂に入らない程度では問題ないとおおらかに考えることも大切です。子供の気持ちを尊重し、嫌がる理由を理解したいところです。子供が安心してお風呂に入れるよう、ゆっくり時間をかけて取り組んでいきましょう。

Q. お風呂を嫌がるのは発達障害児だけ?

A. いいえ、発達障害のあるなしに関わらず、お風呂を嫌がる子供はいます。ただ、発達障害の子供の場合は、感覚の過敏さや、変化への適応の難しさなど、特性が関係していることもあるでしょう。基本的には「子供=お風呂嫌い」と考えても問題ないぐらい、お風呂嫌いは圧倒的多数派です。

Q. 対応を工夫しても改善が見られない場合は?

A. 対応を工夫しても、なかなか改善が見られない場合は、専門家に相談することをおすすめします。自治体の支援センターや、発達相談ができる病院、作業療法士、心理士など、発達障害に詳しい専門家から、子供に合ったアドバイスをもらうことができるでしょう。

まとめ

子供がお風呂を嫌がる、そんな悩みを抱えているご家庭は少なくありません。でも、子供なりの理由があるのだと思います。感覚の敏感さ、変化への適応の難しさ、自分の気持ちを伝えるのが苦手、そして気持ちの切り替えが難しいことなど、子供の特性を理解することが何より大切。そして、子供に合わせた環境づくりや、コミュニケーションの工夫、遊びから入浴への切り替えを助けるなど、家庭でできる対応のコツを実践してみてください。

最初はうまくいかないこともあるかもしれません。でも、焦らずゆっくりと、子供のペースに合わせて進めていきましょう。お風呂が楽しい時間になるよう、周りのサポートも上手に活用しながら、一緒に乗り越えていきましょう。子供の小さな成長を見逃さず、しっかり褒めてあげることも忘れずに。いつかきっと、子供が自分からお風呂に入れるようになる日が来るはずです。あまり気負わずにおおらかにがんばっていきましょう!

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