- コラム
自閉症の子供がパニックに!分かってあげたい本人の気持ちと対処法
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自閉症スペクトラム障害(ASD)やグレーゾーンの子供を育てる親にとって、子供がパニックを起こすのは大きな悩みの一つです。突然の叫び声、激しい泣き声、暴れ回ってしまうなど、パニックの状態は子供によって様々ですが、どのように対処すればよいのか戸惑ってしまいますよね。ここでは、自閉症の子供がパニックを起こす原因や対処法、そして親の心構えについて詳しく解説します。
自閉症の子供がパニックを起こす理由
感覚過敏によるストレスの蓄積
自閉症の子供は、感覚の過敏さを抱えていることが少なくありません。大きな音、強い光、軽い触感など、定型発達の子供には何でもない刺激が、自閉症児には耐え難いストレスとなることがあります。このような感覚刺激によるストレスが蓄積されると、パニック発作につながる可能性があるのです。
予定の変更や環境の変化への不適応
また、自閉症の子供は、予定の変更や環境の変化に対して強い不安を感じる傾向があります。いつもと違う状況に直面すると、混乱してパニックを起こしてしまうことがあるのです。例えば、急な外出や、新しい場所への移動など、慣れない状況では特に注意が必要です。
コミュニケーションの困難さからくるフラストレーション
自閉症の子供は、言葉でのコミュニケーションが苦手な傾向にあります。自分の気持ちを上手く伝えられなかったり、相手の言葉の意味が理解できなかったりと、コミュニケーションの難しさからくるフラストレーションが、パニック発作の引き金になることもあります。
特定のこだわりが満たされないことによる混乱
自閉症の子供は、特定のものや活動へのこだわりを強く持つことがよくあります。そのこだわりが満たされない状況に直面すると、大きな混乱を感じ、パニックを起こしてしまうことがあります。こだわりの対象は子供によって様々ですが、突然のスケジュール変更や、こだわりの物の制限などが、パニックのトリガーになりやすいです。
パニックになりやすい状況と場所
感覚刺激が強すぎる場所(騒がしい所、明るすぎる所など)
感覚過敏のある自閉症の子供は、感覚刺激が強すぎる場所でパニックを起こしやすいです。大勢の人が集まる騒がしい場所、まぶしすぎる照明のある場所など、刺激が多すぎる環境では、子供のストレスが高まり、パニック発作につながることがあります。
慣れない環境や見知らぬ場所
また、慣れない環境や見知らぬ場所も、自閉症の子供にとってはパニックのトリガーになりやすいです。新しい場所に行く際は、事前に写真を見せるなどして、見通しを持たせることが大切です。できれば、徐々に慣れていけるよう、段階的に環境に適応させていくことが望ましいでしょう。
予定が突然変更になったとき
自閉症の子供は、予定通りに物事が進むことを好む傾向があります。そのため、予定が突然変更になると、大きな混乱を感じ、パニックを起こしてしまうことがあります。予定の変更は、できるだけ早めに伝え、見通しを持たせることが大切です。
コミュニケーションがうまくいかないとき
言葉でのコミュニケーションが苦手な自閉症の子供は、意思疎通がうまくいかないときにパニックを起こしやすいです。伝えたいことが伝わらない、相手の言葉が理解できないなど、コミュニケーションの行き詰まりが、フラストレーションを高め、パニック発作につながることがあります。
強いこだわりを持つ物や活動が制限されたとき
自閉症の子供が強いこだわりを持つ物や活動を、突然制限されるとパニックを起こしやすいです。こだわりの対象が手元にない、いつもの活動ができないなど、こだわりが満たされない状況では、子供は大きな混乱を感じます。こだわりへの対応は、子供との話し合いを重ねながら、柔軟に行っていくことが大切でしょう。
パニック時の対処法
安全を確保し、刺激を減らす
パニック発作が起きたら、まず子供の安全を確保することが何より大切です。子供の周りにある危険な物を取り除き、暴れても怪我をしないよう配慮しましょう。また、感覚刺激を減らすため、静かで落ち着いた場所に移動することも効果的です。
穏やかに話しかけ、気持ちを受け止める
パニックの最中は、子供の気持ちに寄り添うことが大切です。穏やかな口調で話しかけ、子供の気持ちを受け止めるよう心がけましょう。長々と説教するのではなく、「大丈夫だよ」「一緒にいるからね」など、短く簡潔な言葉で子供を落ち着かせることが効果的です。
深呼吸や数を数えるなどの簡単なリラックス法を試す
パニックの最中は、子供に深呼吸をするよう促したり、一緒に数を数えたりするのも良いでしょう。シンプルなルーティンは、子供の気持ちを落ち着かせるのに効果的です。子供が好きな方法を見つけ、普段から練習しておくことをおすすめします。
いつものお気に入りで気を落ち着ける
子供のお気に入りのものが、気持ちを切り替えることにつながるかもしれません。長く使っているおもちゃ、気分が上がる音楽、いつものタオルケットなど、子供が落ち着ける物を用意しておくと良いでしょう。
パニックの原因となったことを特定し、解決策を考える
パニックが収まったら、なぜパニックが起きたのか、原因を特定することが大切です。子供の様子から、感覚刺激、環境の変化、コミュニケーションの難しさなど、パニックの引き金になったことを探ります。そして、次にパニックが起きないよう、解決策を考えていきましょう。
パニック後の対応
子供の気持ちを受け止め、理解を示す
パニックが収まった後は、子供の気持ちを受け止め、理解を示すことが大切です。「怖かったね」「大変だったね」など、子供の経験を共感的に受け止める言葉をかけましょう。そして、子供なりに頑張ったことを褒め、ねぎらいの気持ちを伝えることが大切です。
周囲の人に状況を説明し、理解を求める
もし外出中に子供がパニックを起こして、周囲の人が心配して声をかけてくれていた場合などは、理解を求めることも大切です(あくまで子供対応が第一ですが)。自閉症の特性について知らない人は、子供の行動を誤解することがあります。「うちの子は自閉症で感覚の過敏さがあるんです」など、簡単に説明することで、周囲の理解を得られるかもしれません。
子供のパニックを予防するための工夫
子供の特性を理解し、環境づくりに配慮調整する
パニックを予防するためには、心地よい環境づくりに気をつけることが大切です。子供が苦手な刺激を減らし、心地よい刺激を取り入れることで、ストレスを軽減することができます。例えば、聴覚過敏の子供には、イヤーマフを用意するなど、子供に合わせた工夫が必要です。
予定の変更は事前に伝え、見通しを持たせる
自閉症の子供は、予定の変更に戸惑いを感じやすいです。そのため、できるだけ早めに変更を伝え、見通しを持たせることが大切です。言葉だけでなく、絵カードや写真を使って視覚的に伝えるのも効果的です。また、予定表を作成し、いつ、何をするのかを明確に示すことで、子供は安心して行動することができます。
コミュニケーション手段を工夫し、意思疎通を図る
言葉でのコミュニケーションが苦手な自閉症の子供には、代替えのコミュニケーション手段を用意することが大切です。絵カードや写真、ジェスチャーなど、子供が理解しやすい方法で意思疎通を図りましょう。また、子供の表情やしぐさから、気持ちを読み取ることも大切です。子供の発信を見逃さず、受け止めることで、パニックを未然に防ぐことができます。
こだわりを適度に満たし、代替案を用意する
自閉症の子供が強いこだわりを持っている場合は、そのこだわりを適度に満たすことが大切です。ただし、こだわりが強すぎて日常生活に支障をきたす場合は、代替案を用意する必要があります。例えば、特定のおもちゃへのこだわりが強い場合は、そのおもちゃと似たような別のおもちゃを用意するなど、子供が受け入れやすい代替案を考えましょう。
ストレス管理の方法を身につけさせる
自閉症の子供に、ストレス管理の方法を身につけさせることも大切です。深呼吸や、数を数えるなどの簡単なリラックス法を、日頃から練習しておくと良いでしょう。また、運動や散歩など、体を動かすことでストレスを発散させる方法も効果的です。子供に合ったストレス管理の方法を見つけ、習慣化させることが大切です。
医療機関や専門家の支援
発達障害専門の医療機関での診断と治療
自閉症の診断は、発達障害専門の医療機関で行います。医師や心理士による詳しい評価を受けることで、子供の特性や困り感を正確に把握することができます。また、薬物療法や心理療法など、医療的な支援を受けることで、パニックの頻度を減らすことができる場合があります。
感覚統合療法による感覚の調整
感覚統合療法は、感覚の偏りを調整し、脳の情報処理能力を高める療法です。作業療法士による感覚統合療法を受けることで、子供の感覚過敏が和らぎ、パニックが減少することがあります。感覚統合療法では、遊びを通して、楽しみながら感覚の調整を行うことができます。
応用行動分析(ABA)によるスキル獲得とパニック予防
応用行動分析(ABA)は、行動療法の一種で、適切な行動を増やし、不適切な行動を減らすことを目的とした療法です。ABAでは、子供の行動を分析し、適切な行動を強化することで、コミュニケーションやソーシャルスキルを身につけていきます。また、パニックの原因となる行動を特定し、その行動に代わる適切な行動を教えることで、パニックを予防することができます。
親の心構えとセルフケア
子供の特性を理解し、受け止める
自閉症の子供のパニックに向き合うためには、まず子供の特性を理解し、受け止めることが大切です。子供の行動には、必ず理由があります。感覚の過敏さ、コミュニケーションの難しさ、こだわりの強さなど、子供の特性を踏まえて子供の行動を理解することが、適切な対応につながります。子供の気持ちに寄り添い、共感的に受け止める姿勢が何より大切です。
周囲の理解を求め、孤立しない
自閉症の子供の子育ては、周囲の理解を得にくいことがあります。特に、パニック発作は、周囲の目を気にして、親が孤立感を感じることがあるでしょう。しかし、一人で抱え込まずに、周囲の理解を求めていくことが大切です。家族や友人、専門家など、信頼できる人に相談し、サポートを受けることで、孤立を防ぐことができます。
親自身のストレス管理
子供のパニックに振り回されることが増えると、当然親にもストレスが溜まります。親自身がストレスを抱えてイライラしてしまうと、子供への対応にも影響してしまいます。親自身が心身ともに健康であることが、子供の安定につながります。時には手抜きをしながら、リラックスタイムを確保することが大切です。
自閉症の子育てに関する情報収集とスキルアップ
自閉症児の子育ては、試行錯誤の連続です。子供の成長に合わせて、柔軟に対応を変えていく必要があります。そのためには、自閉症に関する情報を収集し、子育てのスキルを高めていくことが大切です。書籍や講演会、オンラインの情報など、様々な情報源を活用しましょう。また、同じ悩みを抱える親同士が集まる自助グループに参加することで、情報交換や経験の共有ができ、心の支えにもなります。
まとめ:自閉症の子供のパニックと向き合うために
自閉症児のパニックは、親を悩ませる大きな課題ですが、正しい理解と適切な対応があれば、必ず乗り越えていくことができます。子供の特性を理解し、寄り添いながら、周囲の協力を得て、一緒に歩んでいきましょう。子供の成長を信じて、前を向いて進んでいくことが何より大切です。一人で抱え込まずに、支援を求めながら、自閉症児の子育てに取り組んでいきましょう。