2024.09.05
  • コラム

世界の国技一覧100カ国以上!成り立ちや定義も紹介

こんにちは!学校では学ばないちょっと深い知識を親子で学ぶ連載シリーズ”テテトコナレッジ”です。世界各国には、その国を代表するスポーツとして「国技」が存在することがあります。日本の国技といえば相撲ですが、世界の国技にはどんなものがあるでしょうか?オリンピックの盛り上がりも記憶に新しい今、国技の概念や世界各国の例まで、幅広く解説します。

そもそも国技って何?

国技の定義

国技とは、ある国において特に重要視され、国を代表するスポーツや競技のことを指します。多くの場合、その国の歴史や文化と深く結びついており、単なる人気スポーツ以上の意味を持ちます。

国技の重要性と文化的意義

国技は、その国の文化的アイデンティティを表現する重要な要素の一つです。多くの場合、国技は:

  • その国の歴史や伝統を反映している
  • 国民の団結や誇りの象徴となっている
  • 国際的な文化交流の場で重要な役割を果たす
  • 観光や経済にも影響を与える場合がある

国技の決定プロセス

誰が国技を決めるのか?

国技の決定方法は国によって異なります:

  • 政府が法律や政令で正式に定める場合
  • 長年の慣習や文化的合意によって自然に定着する場合
  • スポーツ団体や文化団体の提言に基づいて決定される場合

国技の法的地位

国技の法的地位も国によって様々です:

  • 法律で明確に定められている国(例:日本の相撲)
  • 公式ではないが、広く国技として認識されている国
  • 国技という概念自体が存在しない国

厳格に決めている日本は珍しい?海外の国技の扱いは意外とアバウト

国技がない国

日本では相撲のように、「国技といえばこれ」と定まっていることが当たり前ですが、すべての国に国技があるわけではありません。例えば、アメリカ合衆国やドイツなど、多くの国では公式な国技を定めていません。これらの国では、人気のあるスポーツが事実上の国技として扱われることがありますが、国民の共通認識になっていない場合も多いようです。

複数の国技を持つ国

一部の国では、複数のスポーツを国技として認めています。例えば:

  • インド:ホッケーとカバディ
  • フィリピン:アーニス(武術)とセパタクロー

国技の変遷

時代とともに国技が変更されることもあります:

  • 社会の変化や国際情勢の影響
  • 新しいスポーツの台頭
  • 政治的な判断による変更

例えば、イランでは1934年にズールハーネを国技としていましたが、現在はレスリングが国技となっています。

国の文化を反映!国技の多様性もおもしろい

世界各国の国技は、その国の歴史、文化、地理的特性を反映しており様々です。格闘技から球技、さらには独特な伝統競技まで、国技の形態は様々。この多様性こそが、世界の文化の豊かさを物語っています。

格闘技系の国技

多くの国で、伝統的な武術や格闘技が国技として選ばれています:

  • 日本:相撲
  • 韓国:テコンドー
  • タイ:ムエタイ
  • モンゴル:モンゴル相撲(ブフ)

球技系の国技

球技も多くの国で国技として親しまれています:

  • ブラジル:サッカー(非公式)
  • カナダ:アイスホッケー(冬)とラクロス(夏)
  • スリランカ:バレーボール

その他ユニークな国技

世界には、その国独自の文化を反映したユニークな国技も存在します:

  • アフガニスタン:ブズカシ(馬上で山羊の死骸を奪い合う競技)
  • スコットランド:ケイバー投げ(丸太投げ)
  • トルコ:油レスリング

注目の5カ国:特徴的な国技を深掘り

フランスの国技

フランスでは公式な国技は定められておらず、複数の競技が事実上の国技として認識されています。サッカーは国民的人気を誇り、1998年のワールドカップ優勝以降、特に重要な地位を占めています。フェンシングは歴史的にフランスと深い関わりがあり、多くのオリンピックメダルを獲得しています。一方、ペタンクは特にフランス南部で広く親しまれている伝統的な球技です。金属製のボールを投げて小さな木製の目標球に近づけることを競うこの競技は、老若男女問わず楽しめる社交的な面が特徴です。これらの競技はそれぞれフランスの異なる文化的側面を反映しており、どれが最も「国技」に相応しいかは議論の余地があります。

ミャンマーの国技

ミャンマーの国技に関しては諸説あります。チンロンは伝統的な球技として知られ、ラタン(籐)で編まれた軽量のボールを使用し、足、膝、頭などを使ってボールを地面に落とさずにパスし合う競技です。一方、より広く認知されているのがラウェイ(ミャンマー式キックボクシング)です。ラウェイはミャンマーの武術としての歴史が長く、国民的な人気を誇ります。両手両足、肘、膝を使用する激しい格闘技で、伝統的な儀式や音楽を伴うことが特徴です。公式には、これらどちらかを特定の「国技」として定めているわけではありませんが、両方ともミャンマーの文化的アイデンティティを強く反映しています。競技としての普及度や国際的な認知度では、現在はラウェイの方が高い傾向にあります。

北朝鮮の国技

北朝鮮の国技はテコンドーとされていますが、韓国のテコンドーとは異なる点があります。北朝鮮版は「朝鮮式テコンドー」と呼ばれ、技の構成や競技ルールに違いがあります。この武術は単なるスポーツではなく、精神修養と愛国心を育む手段としても重視されており、学校教育や軍事訓練の一環としても実施されています。また、国際大会への選手派遣や海外での演武会開催など、文化外交の一翼を担う役割も果たしています。ただし、北朝鮮の閉鎖的な性質上、国内での実際の普及状況や他のスポーツとの相対的な位置づけについては、外部からは正確に把握しづらい面があることに留意が必要です。

ロシアの国技

ロシアの国技として広く認識されているのはサンボという格闘技ですが、公式に国技として定められているわけではありません。サンボは「戦わずして防御する」という意味のロシア語の略で、1920年代にソビエト連邦で開発されました。柔道やレスリングなど、様々な格闘技の要素を取り入れた総合格闘技です。一方で、アイスホッケーやサッカーも非常に人気が高く、国民的スポーツとして認識されています。特にアイスホッケーは、ロシアの気候風土に適しており、国際大会でも常に強豪国として知られています。これらの競技はそれぞれロシアの異なる側面を表現しており、どれが最も「国技」に相応しいかは議論の余地があります。

メキシコの国技

メキシコの国技はチャレリアと公式に認定されていますが、他のスポーツも重要な位置を占めています。チャレリアは伝統的な馬術競技で、スペイン植民地時代の牛追いの技術に起源を持ちます。華麗な衣装を身にまとった騎手(チャロ)が、馬術の技を競い合い、メキシコの文化的アイデンティティを強く反映しています。一方で、サッカーは国民的に最も人気のあるスポーツであり、事実上の国技と見なす人も多くいます。また、ボクシングもメキシコでは非常に人気が高く、多くの世界チャンピオンを輩出しています。これらの競技はそれぞれメキシコの異なる文化的側面を表現しており、チャレリアが公式な国技である一方で、実際の国民の関心度や参加度では、サッカーやボクシングの方が高い傾向にあります。

世界の国技一覧

以下の表で、世界各国の国技を確認できます。国名、地域、国技、人口で並べ替えが可能です。


国名 地域 国技 人口(概算)
日本 アジア 相撲 1億2600万人
韓国 アジア テコンドー 5100万人
中国 アジア 卓球(非公式) 14億人
モンゴル アジア モンゴル相撲(ブフ) 320万人
タイ アジア ムエタイ 6900万人
インド アジア ホッケー、カバディ 13億8000万人
フィリピン アジア アーニス、セパタクロー 1億900万人
イラン 中東 レスリング 8400万人
トルコ ユーラシア 油レスリング 8400万人
カナダ 北米 アイスホッケー(冬)、ラクロス(夏) 3800万人
アメリカ合衆国 北米 野球(非公式) 3億3000万人
ブラジル 南米 サッカー(非公式) 2億1200万人
アルゼンチン 南米 パト(馬上ポロ) 4500万人
チリ 南米 ロデオ 1900万人
コロンビア 南米 テホ 5100万人
ウルグアイ 南米 パト(馬上ポロ) 350万人
イギリス ヨーロッパ クリケット(イングランド) 6700万人
スコットランド ヨーロッパ ケイバー投げ 540万人
アイルランド ヨーロッパ ゲーリックフットボール、ハーリング 500万人
スペイン ヨーロッパ 闘牛(議論の余地あり) 4700万人
イタリア ヨーロッパ サッカー(非公式) 6000万人
スイス ヨーロッパ シュヴィンゲン(スイス式レスリング) 860万人
アフガニスタン 中央アジア ブズカシ 3900万人
バングラデシュ 南アジア カバディ 1億6500万人
ブータン 南アジア アーチェリー 77万人
スリランカ 南アジア バレーボール 2200万人
ネパール 南アジア ダンディビヨ(木の棒を使った遊び) 2900万人
パキスタン 南アジア ホッケー 2億2000万人
インドネシア 東南アジア ペンチャック・シラット(武術) 2億7000万人
マレーシア 東南アジア セパタクロー 3200万人
ミャンマー 東南アジア チンロン 5400万人
ラオス 東南アジア カタウ(蹴鞠のような球技) 720万人
ベトナム 東南アジア ヴォー・ビナム(武術) 9700万人
カンボジア 東南アジア ボッカータ(格闘技) 1600万人
メキシコ 北米 チャレリア(馬術) 1億2800万人
キューバ カリブ海 野球 1130万人
ジャマイカ カリブ海 クリケット 290万人
ドミニカ共和国 カリブ海 野球 1070万人
ベネズエラ 南米 野球 2840万人
ペルー 南米 サーフィン 3300万人
エクアドル 南米 エクアバレー(バレーボールの一種) 1750万人
ロシア ユーラシア サンボ(格闘技) 1億4400万人
ウクライナ ヨーロッパ ホルティング(格闘技) 4400万人
ポーランド ヨーロッパ サッカー(非公式) 3800万人
フィンランド ヨーロッパ ペサパッロ(野球に似たスポーツ) 550万人
ノルウェー ヨーロッパ クロスカントリースキー 540万人
スウェーデン ヨーロッパ バンディ(アイスホッケーに似たスポーツ) 1000万人
デンマーク ヨーロッパ ハンドボール 580万人
オーストラリア オセアニア クリケット、オージーフットボール 2550万人
ニュージーランド オセアニア ラグビー 510万人
パプアニューギニア オセアニア ラグビーリーグ 890万人
フィジー オセアニア ラグビー 90万人
南アフリカ アフリカ サッカー、ラグビー、クリケット 5900万人
ケニア アフリカ 陸上競技(長距離走) 5300万人
エチオピア アフリカ 陸上競技(長距離走) 1億1500万人
エジプト アフリカ サッカー 1億200万人
モロッコ アフリカ サッカー 3700万人
セネガル アフリカ レスリング 1600万人
ナイジェリア アフリカ サッカー 2億600万人
ガーナ アフリカ サッカー 3100万人
カメルーン アフリカ サッカー 2600万人
コートジボワール アフリカ サッカー 2600万人
アルジェリア アフリカ サッカー 4300万人
チュニジア アフリカ サッカー 1200万人
ウガンダ アフリカ サッカー 4500万人
ジンバブエ アフリカ サッカー 1500万人
ザンビア アフリカ サッカー 1800万人
タンザニア アフリカ サッカー 5900万人
マダガスカル アフリカ ペタンク 2700万人
モーリシャス アフリカ ホースレーシング 130万人
セーシェル アフリカ ボディビルディング 10万人
コモロ アフリカ サッカー 87万人
カーボベルデ アフリカ サッカー 56万人
サントメ・プリンシペ アフリカ サッカー 20万人
モルディブ 南アジア バイル(ボール遊び) 54万人
シンガポール 東南アジア サッカー 570万人
ブルネイ 東南アジア セパタクロー 44万人
東ティモール 東南アジア マーシャルアーツ 130万人
ソロモン諸島 オセアニア サッカー 69万人
バヌアツ オセアニア サッカー 31万人
サモア オセアニア ラグビー 20万人
キリバス オセアニア サッカー 12万人
トンガ オセアニア ラグビー 10万人
ミクロネシア連邦 オセアニア 野球 11万人
パラオ オセアニア 野球 1.8万人
マーシャル諸島 オセアニア バスケットボール 5.9万人
ナウル オセアニア オーストラリアンフットボール 1万人
ツバル オセアニア サッカー 1.2万人
フランス ヨーロッパ サッカー(非公式) 6700万人
ドイツ ヨーロッパ サッカー(非公式) 8300万人
オランダ ヨーロッパ サッカー(非公式) 1700万人
ベルギー ヨーロッパ サイクリング 1150万人
オーストリア ヨーロッパ スキー 890万人
チェコ ヨーロッパ アイスホッケー 1070万人
スロバキア ヨーロッパ アイスホッケー 550万人
ハンガリー ヨーロッパ 水球 970万人
ルーマニア ヨーロッパ オイナ(伝統的な球技) 1940万人
ブルガリア ヨーロッパ レスリング 690万人
ギリシャ ヨーロッパ バスケットボール 1070万人
クロアチア ヨーロッパ サッカー 410万人
セルビア ヨーロッパ バスケットボール 690万人
ボスニア・ヘルツェゴビナ ヨーロッパ サッカー 330万人
アルバニア ヨーロッパ サッカー 290万人
北マケドニア ヨーロッパ ハンドボール 210万人
モンテネグロ ヨーロッパ 水球 62万人
リトアニア ヨーロッパ バスケットボール 280万人
ラトビア ヨーロッパ アイスホッケー 190万人
エストニア ヨーロッパ バスケットボール 130万人
アイスランド ヨーロッパ ハンドボール 36万人
マルタ ヨーロッパ サッカー 50万人
キプロス ヨーロッパ サッカー 120万人
ルクセンブルク ヨーロッパ サイクリング 63万人
アンドラ ヨーロッパ スキー 7.7万人
モナコ ヨーロッパ フォーミュラ1(モータースポーツ) 3.9万人
リヒテンシュタイン ヨーロッパ スキー 3.8万人
サンマリノ ヨーロッパ サッカー 3.4万人
バチカン市国 ヨーロッパ サッカー 825人

最も多い国技はどれ?世界の国技の種目数ランキング

世界各国の国技を見てみると、一部のスポーツが多くの国で国技として選ばれていることがわかります。ここでは、最も多くの国で国技とされている競技トップ3を紹介します。

サッカー(約30カ国)
ラグビー(約5カ国)
バスケットボール(約4カ国)

いくつ知ってる?マイナー競技の国技

世界には、私たちになじみのない独特な競技を国技としている国々があります。これらの競技は、その国の文化や歴史を反映していることが多く、非常に興味深いものばかりです。以下に、ユニークな10の国技を紹介します。

ブズカシ(アフガニスタン)

馬上で山羊の死骸を奪い合う競技。中央アジアの遊牧民の間で発展した。騎手たちが激しく競り合い、ゴールエリアに山羊を運ぶことを競う。体力と技術、そして馬との一体感が求められる過酷な競技だ。

セパタクロー(マレーシア、タイなど)

バレーボールに似た競技だが、手の代わりに足や頭を使ってボールを打ち合う。東南アジアで人気が高く、高い柔軟性とアクロバティックな動きが特徴。3人制が一般的で、華麗なキック技術が見どころだ。

ペサパッロ(フィンランド)

野球に似た競技だが、投手が垂直に投げ上げたボールを打者が打つ。フィールドは菱形で、独特のルールを持つ。フィンランドの夏の風物詩として親しまれ、チームワークと戦略性が重要視される。

バンディ(スウェーデン)

アイスホッケーに似ているが、より大きなリンクでプレーする。ボールを使用し、スティックの形状も異なる。1チーム11人で競い、スピーディーな展開が特徴。北欧諸国で特に人気が高い氷上スポーツだ。

ケイバー投げ(スコットランド)

長さ5メートル以上、重さ80キロ近い丸太を投げ上げ、真っ直ぐに倒れるよう競う競技。スコットランド高地地方の伝統的な力技。技術と力の両方が求められ、独特の採点方法を持つ。

オイナ(ルーマニア)

バットでボールを打ち、フィールドを走る点で野球に似ているが、独自のルールを持つ。守備側がボールを投げて走者にぶつけることで、アウトを取れるのが特徴的。ルーマニアの伝統的なスポーツだ。

チンロン(ミャンマー)

ラタン(籐)製のボールを使い、足や膝、頭を使って地面に落とさないようにパスし合う競技。6人1組でサークルを作りプレーする。技術と芸術性が求められ、ミャンマーの伝統文化として大切にされている。

ブフ(モンゴル相撲)

モンゴルの国技で、体重制限がない相撲競技。相手を地面に倒すか、膝以外の体の部分を地面につけさせれば勝ち。伝統的な衣装を着用し、独特の儀式や作法がある。強さと技術、そして精神性を重んじる。

カバディ(インド、バングラデシュ)

タッチフットボールに似た競技で、「息を止めている間に相手陣地に侵入し、タッチしてから自陣に戻る」のが基本。攻守交代制で、チームワークと個人の俊敏性が求められる。南アジアで非常に人気が高い。

ペタンク(マダガスカル)

フランス発祥の球技で、目標球に向かって金属製のボールを投げ、いかに近づけるかを競う。戦略性が高く、老若男女問わず楽しめる。マダガスカルでは国技として普及し、幅広い年齢層に親しまれている。

まとめ:国技から見る世界の文化多様性

国技は、単なるスポーツ以上の意味を持ち、その国の歴史、文化、価値観を反映しています。世界の国技を知ることは、グローバルな文化の多様性を理解する第一歩になるかもしれませんね。

今回紹介した国技の中で、特に興味を持ったものがあれば、ぜひその競技のルールや歴史について親子でさらに調べてみてください!

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