- コラム
発達障害の子を持つ親のママ友づくりは難しい?孤独感を感じるときのヒント
発達障害やグレーゾーンのお子さんを育てるママやパパにとって悩みの種になりがちな「周囲のママ友・パパ友との関係づくり」。特に発達特性を周囲に開示していない場合は、どこまでを話せばいいのか?と迷ったり、周囲と話題が合わなくて気を遣ってしまうことも点。
この記事では、発達障害やグレーゾーンのお子さんを持つママが感じる悩みや不安に寄り添いながら、前向きにママ友・パパ友との関係を築くためのヒントをお伝えします。
「ママ友の輪に入りづらい…」発達障害児の親が感じる壁
発達障害やグレーゾーンのお子さんを持つママは、ママ友・パパ友との交流に疲れてしまうことがあります。公園や保育園、学校などの日常的な場面で、周囲との違いが気になってしまうことも…。具体的に見ていきましょう。
周囲との違いを感じる瞬間:公園でのできごと
公園は子どもたちの遊び場であると同時に、親同士が交流する場所でもあります。しかし、発達障害やグレーゾーンのお子さんの場合、遊び方や他の子どもとの関わり方の違いが気になってしまうことも。例えば、一人で遊ぶことを好み、他の子どもたちと一緒に遊ばない、特定の遊具にこだわり、長時間同じ場所にいる、突然大きな声を出したり予期せぬ行動をとるなど、周囲の子どもとのコミュニケーションが難しく、トラブルが起きてしまうことがあります。
このような場面で、ママ友・パパ友の視線を感じたり、子どもの行動を説明しなければならないと負担になった経験がある方もいらっしゃるかもしれませんね。少しめんどくさいなと思ってしまうのも自然なことです。
ママ友との会話で感じる距離感
親同士の会話の中で、お子さんの成長や発達に関する話題が出ることは珍しくありません。しかし、発達障害やグレーゾーンのお子さんの場合、その成長のペースや発達の指標が他の子どもと異なることがあります。
例えば、ママ友・パパ友が子どもの新しくできたこと(自分で服を着る、文字を書くなど)を自慢する場面、子どもの習い事や将来の進学について話す場面、子育ての悩みを共有する場面で、自分の悩みが周囲と大きく異なる時に距離感を感じてしまうことがあるかもしれません。
これらの場面で、自分の子どもの状況をどう説明すべきか悩んだり、時には話題に参加しづらくなって黙ってしまったりと、孤立感を感じることも。
保育園・幼稚園・学校で感じる「わが子と周りの子の違い」
年齢相応の行動が難しい時のモヤモヤ
発達障害やグレーゾーンのお子さんは、得意なことと苦手なことの差が激しいことが多く、時として年齢相応の行動が難しいことがあります。集団生活の場である保育園、幼稚園、学校では、これらの特性がより顕著に現れることがあります。例えば、集団での活動に参加するのが難しい、座って話を聞くことが苦手、食事や着替えに時間がかかる、順番を待つことやルールを理解して守ることが難しい、感覚過敏のため特定の音や触感に強い反応を示す、などが代表的な例です。
このような場面で、他の子どもたちとの違いを目の当たりにすると、モヤモヤとした気持ちになるのは自然なことです。それぞれの子どもに個性があり、成長のペースも異なるということを心に留めておくことが大切です。
ママ友と話題が合わなくて困ることも
保育園や幼稚園、学校での出来事をママ友・パパ友と話す際、発達の段階の違いから生じる会話の難しさを感じることがあるかもしれません。例えば、ママ友・パパ友が子どもの学習進度について話す時、友達関係や社会性の発達について話題が出た時、子どもの将来の夢や目標について話す場面などで、自分の子どもの状況をどう説明すべきか悩むことは少なくありません。
このような会話の中で、自分の子どもの状況をどう説明すべきか悩むことは少なくありません。時には、ママ友・パパ友の話を聞いて自分の子どもの発達の遅れを強く意識し、焦りや不安を感じることもあるでしょう。しかし、正直に、そして前向きに子どもの個性や成長を語ることで、理解を深めてもらえる機会にもなります。
運動会や発表会は楽しみと不安が両方…複雑な気持ち
運動会や発表会などの行事は、子どもの成長を見られる楽しみな場である一方で、発達障害やグレーゾーンのお子さんを持つママにとっては、複雑な感情を抱く機会にもなりがちです。集団での演技や競技に参加できるか心配、大勢の人や騒がしい環境に対するお子さんの反応が気になる、他の子どもたちとの違いが目立つのではないかという不安など、様々な心配や不安が生じることがあります。悪目立ちしてしまわないかな、と心配して当日が終わった後にはどっと疲れが…なんていうことも。
あらかじめ先生への協力をお願いしてサポートしてもらってもいいかもしれないですね。
発達障害・グレーゾーンの子育て:親の気持ちと向き合い方
日々の小さな喜びを見つける方法
子育ての喜びは、必ずしも大きな発達の節目だけにあるわけではありません。日々の小さな成長や変化に目を向けることで、たくさんの喜びを見つけることができます。新しい言葉を覚えた時の嬉しそうな表情、初めて自分から「おはよう」と言えた瞬間、苦手だった食べ物を少しでも食べられるようになった時、長く続けられなかった活動を少しずつ長く楽しめるようになった時、新しい環境に少しずつ慣れていく様子、自分で選んだ服を着られるようになった時など、もしかしたら周囲の子供からしたら些細なことかもしれないけれど、本人にとっては大きな進歩。目を向けてあげたいですね。日記やSNS、写真をアルバムに残すなどで、お子さんの成長をあとから振り返るのもいいかもしれません♩
ママ・パパが自分自身をいたわることの大切さ
子育てで体力的にも精神的にも疲れることは誰しもあります。特に、発達障害やグレーゾーンのお子さんの子育ては、より多くのエネルギーと忍耐が必要。だからこそ、親である自分自身をいたわることが非常に重要です。
自分の時間はなにがなんでも確保
趣味や運動など、リフレッシュできる活動を定期的に行いましょう。たとえ短時間でも、自分のための時間を作ることが大切です。
十分な休息で回復!
睡眠は心身の回復に不可欠です。可能な限り、質の良い睡眠を確保するよう心がけましょう。
自分を責めずに時には気楽さが重要
完璧を求めすぎず、自分の努力を認めましょう。「今日も一日よく頑張った」と自分を褒めることも大切です。
頼れる人はどんどん頼る
パートナー、家族、友人、療育の先生などにどんどん助けを求めましょう。自治体の支援センターなどの活用も考えてもいいでしょう。
同じ立場の親との交流
同じような悩みを持つ親との交流は、大きな心の支えになります。親の会やオンラインコミュニティなどを活用してみましょう。
あなたが心身ともに健康であることが、お子さんにとっても最大の支えになります。自分自身を大切にすることは、子どもへの愛情表現の一つでもあるのです。
同じ立場のママ友がいればこんなに楽しい!発達ママ同士の交流って?
ママ友はめんどくさい…と思いがちだけど得られることもたくさん
今は周囲のママ友・パパ友との関係をめんどくさいなと思うことも多いかもしれませんが、SNSや親の会などで同じような発達障害・グレーゾーンの子育てをしているママ友を見つければ、これまでの周囲のママ友との付き合いとは違う交流ができるようになります。
子供の発達に関する情報交換
地域の支援サービスや、お子さんの特性に合った療育方法などの情報を気兼ねなく話せます。毎日の子供との向き合い方をママ友から得られることもあるかもしれません。
共感してわかりあえ得るって大切
同じ立場の親と交流することで、普段感じがちな孤独感が解消されます。何も遠慮せずに自分の悩みを共有したり、一緒に頑張る仲間として励まし合ったりと、心理的な支えになってくれるかもしれません。またあなた自身が誰かを支えてあげることもできるかもしれませんね。
子どもと一緒にお出かけすれば社会性もすくすく
ママ友ランチも同じ立場の親同士なら気兼ねなくおこなえますね。子どものこだわりが出ても、そこはお互い様で慣れたものです。また、お子さん同士の交流機会を作ることで、友達と遊ぶ経験を積むことができます。
お互いの経験をシェアして活かす
発達障害やグレーゾーンのお子さんの成長過程や、直面する課題について、実体験に基づいたエピソードをたくさん話せば、自分とは違う考え方や障害との向き合い方から、今後の子育てのアドバイスを得られることがあります。
特に、同じく発達障害やグレーゾーンのお子さんを持つママ友・パパ友は、共感と理解を得られる貴重な存在となる可能性があります。彼らとの交流は、特有の悩みや喜びを共有でき、より深い絆を築くことができるでしょう。
無理をしないママ友との付き合い方のコツ
一方で、ママ友・パパ友関係に過度にストレスを感じるのは避けたいですよね。よい関係を築くためには、以下のポイントを意識することが大切です:
毎回集まりに参加せずに自分のペースで
ママ友グループができると、さまざまな集まりが企画されるかもしれませんが、無理にそのすべてに参加する必要はありません。自分とお子さんの状況に合わせて選んでOKです。無理をして参加することで、かえってストレスを感じてしまうこともあります。そこは子育ての大変さをわかるもの同士、お互い様でいたいですよね。
SNSなどオンラインコミュニティの活用
直接会っての付き合いが難しい場合は、SNSなどオンラインのママ友コミュニティでのつながりも選択肢です。時間や場所の制約がなく、自分のペースで交流できる利点があります。住んでいる場所は違っても、子供の発達やママ友付き合いについて考えていることや悩みはきっと共通です。
少なくても深く付き合えるママ友との関係を築く
必ずしも多くのママ友を作る必要はありません。学生時代などはどうしてもグループを作って付き合いがちですが、今はもう自立した立派な大人です。心から理解し合える少数の友人関係をゆっくり育てて、大切にするのもいいですよね。もちろん、大勢でわいわいが大好きな人はそれでもOK!周囲に流されずに自分の好きな付き合い方を選択していきましょう。
ママ友へ自己開示のバランス
お子さんの状況や家庭の事情をどこまで話すかは、相手との関係性や自分の気持ちに応じて調整しましょう。
ママ友関係は、あなたの子育てをサポートし、心を豊かにするものであるべきです。強制ではなく、自然な形で築かれる関係を大切にしていきましょう。
周囲の定型発達のママとはどんなことを話す?スムーズなママ友作りに向けて
まずは共通点探しから!「うちの子も一緒」が嬉しい
発達障害の有無に限らず子育てに関しての共通の悩みは多いものです。話していると「え、それうちもだよ!」ということが多々あります。そんな共通点に目を向けることで、ママ友・パパ友との距離を縮めることができます。
例:
- 睡眠や食事の悩み、子どもの成長に関する不安など、普遍的な話題から会話を始めてみましょう。例えば、「うちの子、好き嫌いがあって」といった話題は多くの親が共感できるものです。
- 子育ての楽しい瞬間や面白エピソードを共有することで、ポジティブな交流のきっかけを作れます。「最近、子どもが〇〇と言い出して、思わず笑ってしまいました」といった話は、会話を和ませてくれますね。
- 地域の子育て支援サービスや公園など、共通の話題となる場所や制度について情報交換するのも良いでしょう。「〇〇公園の遊具、新しくなったらしいですね」といった話題から会話を広げられます。
深い話は仲良くなってから。徐々に関係性を作っていきましょう
ママ友との関係を築くには、適度な距離感を保つことも重要です。
例:
- お子さんの診断や詳細な情報は、信頼関係が築けてからゆっくり共有しても良いでしょう。初対面や浅い関係の段階では、「少し特別な配慮が必要な子です」程度の説明で十分です。
- ママ友・パパ友の助言や意見を聞く際は、自分の判断で取捨選択する勇気を持ちましょう。全ての助言が自分の家庭に当てはまるわけではありません。
- SNSでの情報共有には特に注意が必要です。お子さんのプライバシーを守るため、詳細な情報や写真の投稿は控えめにしましょう。
子どもの特性の伝え方:理解者を増やすことも大切
お子さんの特性をママ友・パパ友に伝える際は、ネガティブな発信は避け、前向きに話すことが効果的です。これにより、理解者を増やし、周りからも協力を得られやすくなります。
ただし、必ずしも子供の発達特性をオープンにすることが正解であるかどうかは環境次第でもあります。ママ友への開示は慎重にしつつ、子供が生きやすくなるように考えてあげましょう。時として、「言わない」という選択肢も念頭においておきましょう。
前向きな伝え方のポイント:
- お子さんの長所やユニークな才能を中心に話すことで、ポジティブな印象を与えられます。例えば、「うちの子は電車のことならなんでも知っているんですよ」といった話から始めるのも良いでしょう。
- 具体的な例を挙げながら、お子さんへの接し方のヒントを共有することで、周囲の理解を深められます。「声をかける時は、ゆっくりはっきり話すと理解しやすいんです」といった具体的なアドバイスは、ママ友・パパ友にも役立つ情報になります。
- 発達障害に関する知識をすべての人が持っているわけではありません。一般的にはこうである、という話を会話に織り交ぜることで、認識を高めることができます。ただし、押し付けにならないよう注意しましょう。
- お子さんの特性が原因で起こったトラブルについては、謝罪と説明をバランスしっかり行いましょう。「申し訳ありません。うちの子は〇〇が苦手で…」といった形で、誠意を示しつつ状況を説明することが大切です。
お子さんの特性を前向きに伝えることで、周囲の理解を得られることがあります。
ママ友づくりは無理せず自分のペースで!
今回は発達障害・グレーゾーンの子供を持つ親のママ友・パパ友づくりに焦点を当てました。少しずつ、自分に合った方法で関係性を広げていくことが大切です。また、SNSなどオンラインコミュニティを活用しながら、同じ立場の親同士が集まる機会を作ることもいいかもしれませんね。