- 子育てコラム
発達障害の子供のおむつが取れない。寄り添いながら自立を支援するトイトレのヒント
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発達障害のあるお子さんの中には、おむつが外れるのに時間がかかり、就学前後もおむつが必要なケースがあります。ママやパパは周りの子どもとの差に焦ったり、悩んでしまうこともあるかもしれませんね。
でも、おむつが取れるペースには個人差があって当然。ゆっくりでも、お子さんに寄り添いながら、自立に向けた支援を続けていくことが大切なのです。
発達障害児のおむつ外れの特徴
発達障害のあるお子さんは、おむつ外れに独特の困難を抱えていることがあります。子ども一人ひとりの特性を理解することが、適切な支援の第一歩となります。
感覚の偏りがトイレトレーニングに与える影響
感覚過敏や鈍麻のあるお子さんの場合、トイレの感触や音、におい、温度差などに敏感に反応してしまうことがあります。トイレを不快な場所だと感じてしまうと、トレーニングへの抵抗感が強まるかもしれません。例えば、ずっとトイレでうんちするのを嫌がっていた子が、便座カバーを柔らかい生地に変えたらアッサリできたという例もあるぐらいです。
コミュニケーションの課題がもたらす難しさ
言葉の理解に遅れのあるお子さんには、「おしっこが出るよ」などの声かけが伝わりづらいことがあります。また、自分の気持ちを言葉で伝えるのが苦手な場合、おむつが外れない不安やストレスを表現できず、行動面に表れてしまうこともあるでしょう。子どもの表現方法を理解し、非言語的なサインを見逃さないことが大切です。
こだわりの強さがトイレの習慣化を妨げる可能性
同じことを繰り返したがる傾向のあるお子さんは、トイレの手順や環境の変化を受け入れるのが難しいことがあります。いつもと違うトイレだと落ち着かない、おむつでないと不安になるなど、こだわりの強さがトイレの習慣化を妨げているのかもしれません。こだわりをいきなり取り去るのではなく、徐々に慣れていけるよう、柔軟な対応が求められます。
おむつが取れないまま就学する場合に直面する課題
もし、おむつが取れないまま就学した場合、学校生活の中でどのような課題が生じるのでしょうか。子どもの状況に合わせた個別の配慮が欠かせません。
学校生活でのトイレ面の困難
おむつ交換のタイミングや場所の確保、着替えの介助など、学校生活の中では様々なトイレ面の課題が生じます。授業中の抜け出しに理解を得られるか、プライバシーに配慮したおむつ交換ができるかなど、学校側との綿密な相談が必要不可欠。子どもの尊厳を守りながら、安心して過ごせる環境を整えていくことが大切です。
友だちとの関係づくりへの影響
おむつを使用していることで、お子さんが友だちとの関係づくりに困難を感じることもあるでしょう。おむつのにおいを気にして、友だちとの距離を取ってしまったり、着替えの時にからかわれたり…。次に書く学校との連携に注力し、周りの子どもたちに、一人ひとりの多様性を認め合う心を育むと同時に、お子さんの自己肯定感を守る働きかけをしてもらうことが大切です。
先生との連携と個別支援の必要性
就学後の課題を乗り越えるためには、先生との緊密な連携が欠かせません。トイレのサインを見逃さず、さりげなくおむつ交換ができるよう、お子さんの特性や配慮事項を共有しておくことが大切。また、個別の指導計画を作成し、具体的な支援方法を話し合っておくことも重要です。お子さんに合わせたきめ細かな支援体制があってこそ、安心した学校生活が送れるのです。
おむつ使用が長期化した場合の支援のポイント
おむつ外れに時間がかかっても、焦る必要はありません。お子さんの自己肯定感を大切にしながら、長期的な視点で支援していくことが何より大切です。
自己肯定感と自立心を育む関わり方
おむつが取れないことで、お子さんが自信を失ってしまうこともあるかもしれません。だからこそ、おむつ外れ以外の部分で、お子さんの頑張りを認め、存在を肯定的に受け止めていくことが大切。「トイレに行けたね」など、小さな成功体験を積み重ねられるよう、目標を細かく設定していきましょう。自分でできることが増える喜びが、自立への原動力になるはずです。
ライフステージの移行に応じた支援体制の見直し
おむつ使用が長引く場合でも、お子さんの成長に合わせて、必要な支援は変化していきます。進学や就職など、環境が変わるタイミングでは、改めて周囲の理解と協力を得ることが大切。医療機関や福祉サービスとも連携しながら、お子さんに合った支援体制を整えていきましょう。ライフステージが変わっても、お子さんの自立を支え続ける仕組みづくりが求められます。
おむつが取れなくてもできる発達支援
おむつが取れなくても、お子さんの発達を支援する方法はたくさんあります。トイレ以外の部分に目を向けて、お子さんの可能性を広げていきましょう。
子どものペースに合わせた柔軟な目標設定
トイレトレーニングに焦点が当たりすぎると、お子さんのプレッシャーになってしまうかもしれません。おむつが取れることだけが目標ではありません。お子さんの興味関心や得意なことに目を向けて、柔軟な目標を立てていくことが大切。「好きなおもちゃで遊べるようになる」「簡単な言葉が話せるようになる」など、お子さんなりの成長を目指していきましょう。
排泄以外の生活スキルの習得に注目する
着替えや手洗い、食事、歯磨きなど、排泄以外にも身につけたい生活スキルはたくさんあります。お子さんが興味を持てることから始めて、少しずつステップアップしていくのがおすすめ。できることが増えていく実感が、お子さんの自信を育んでいくはずです。トイレのことで行き詰まった時は、視野を広げて、他のスキルの習得に取り組んでみるのも良いでしょう。
子どもの自主性を尊重した関わり方
トレーニングでは、つい保護者主導になりがちですが、お子さんの自主性を大切にすることが何より重要。「これ、自分でやりたい!」という気持ちを汲み取り、できる部分は任せていく。時間がかかっても、お子さんのペースを尊重し、「自分でできた!」という達成感を味わえるよう、さりげなくサポートしていきましょう。自分でやろうとする意欲こそが、自立への第一歩なのです。
まとめ:おむつが取れなくても、あきらめないことが大切
発達障害のあるお子さんのおむつ外れは、ゆっくりと長い時間をかけて進んでいくもの。時には立ち止まることもあるかもしれません。でも、お子さんのペースに合わせて、周りの理解と協力を得ながら支援していけば、必ず自立への道が開けるはず。
大切なのは、お子さんの可能性を信じ続けること。おむつが取れなくても、お子さんの尊厳は何も変わりません。排泄以外の部分で輝くお子さんの姿を見つめながら、トイレへの苦手意識にも寄り添っていく。ゆっくりでも前に進もうとするお子さんの心に、そっと寄り添うことが何より大切なのです。
保護者の方も、一人で抱え込まずに、支援者とつながることを忘れないでください。時にはお子さんから離れて、自分を癒やす時間も必要です。あなたの心の健康があってこそ、お子さんを見守り続けられる。小さな一歩を励まし合いながら、親子で一緒に自立への道を歩んでいきましょう。
おむつが外れるまでには、時間がかかるかもしれません。でも、あせらずに、あきらめずに、お子さんと向き合い続けること。それが発達障害児の子育ての原点なのだと思います。今日の小さな一歩を積み重ねながら、いつかきっと、お子さんは自分の力で未来を切り拓いていくはずです。