2024.03.21
  • コラム

「2歳児がお昼寝しない問題」の対処法。大切なのは気楽な心構え!

毎日忙しく子育てをしていると、子供のお昼寝タイムは親にとっても心が休まる時間ですよね。一方で、「うちの子は寝つきが悪くてなかなかお昼寝をしてくれない」と悩みを抱えるご家庭も少なくありません。特にいわゆるイヤイヤ期と重なる2歳前後の子供を育てている家庭では、体力的にも辛いものが…。
ここでは、厚生労働省の調査データを基に、2歳児の昼寝事情を探っていきます。昼寝をしない子への対応策や、親の心構えについても詳しく解説し、子供の昼寝と上手に付き合うヒントを考えていきます。

2歳児の昼寝の現状 – 厚生労働省の調査から見えてくること

少し前のデータになりますが、厚生労働省の調査「平成25年 乳幼児身体発育調査報告書」(出典)によると、2歳児の昼寝時間は1時間以上2時間未満が最も多く、全体の54.1%を占めています。また、2時間以上の昼寝をする子どもは8.0%、30分以上1時間未満は29.2%となっています。

一方で、昼寝をしない子どもの割合は11.5%に上ります。この調査結果から、2歳児の昼寝時間には個人差が大きく、昼寝をしない子どもも一定数存在することがわかります。

また、同調査の経年変化を見ると、2歳児の昼寝時間は年々短くなる傾向にあります。平成5年の調査では、2時間以上の昼寝をする子どもが13.5%いましたが、平成25年では8.0%に減少。逆に、昼寝をしない子どもの割合は、平成5年の12.9%から平成25年には11.5%とわずかに減ったものの、ほぼ横ばいで推移しています。この結果は、2歳児の昼寝時間が全体的に短くなってきていると読み取れるかもしれません。

同じ調査で、3歳、4歳、5歳児のデータも見てみましょう。

昼寝をしない子どもの割合

  • 3歳児:35.2%
  • 4歳児:44.0%
  • 5歳児:54.0%

1時間以上2時間未満の昼寝をする子どもの割合

  • 3歳児:60.4%
  • 4歳児:56.9%
  • 5歳児:43.2%

年齢が上がるにつれて昼寝をしない子どもが増加し、昼寝時間も短くなっていく傾向が明らかです。これらのデータから、2歳児の昼寝事情は個人差が大きいものの、年齢とともに昼寝時間が短くなり、昼寝をしない子どもが増えていくことがわかります。考え方によっては、3歳になれば昼寝をしない子どもが35.2%になると考えると、2歳でお昼寝をしないということ自体は、「ちょっと他の子より早いだけ」とも言えるかもしれません。夜泣きの時期もそろそろ落ち着き始める子供も多く、夜中にぐっすり寝た分、お昼寝は不要となること自体は自然なことです。

ただし、これはあくまで平均的な傾向であり、個々の子どもの発達には差があることを理解しておくことが大切です。2歳児の昼寝について悩むママの参考として、今後の見通しを持つためのデータとして活用していただければと思います。

2歳児にとって昼寝ってどんな意味があるの?

まず一般的な考えとして、2歳児にとって昼寝は身体の発育と脳の発達に欠かせない大切な時間です。この時期の子どもは、1日に約13時間の睡眠を必要とすると言われています。そのうち、夜の睡眠が11時間前後、昼寝が1〜2時間程度が目安とされています。適度な睡眠は、身体の発育を促すだけでなく、脳の発達にも大きく影響します。昼寝をすることで、午前中に得た情報を整理し、記憶を定着させる働きがあると考えられています。

しかし、2歳頃になると、お昼寝をしなくなる子どもも出てきます。その理由として、トータルでの睡眠時間が十分に取れていることや、子どもの体力がついてきたこと、自我の芽生えによる遊びの優先などが挙げられます。昼寝をしないことが、必ずしも体の不調を示すわけではありませんが、できれば1日に少しはお昼寝時間を設けるのが理想的です。

お昼寝をさせるためには、早寝早起きでお昼寝しやすい生活リズムを作ることが大切。平日と休日の起床時間が大きく変わらないよう意識しましょう。規則正しい生活リズムは、子どもの健やかな成長に欠かせません。

また、大人でも寝不足のときは仕事に集中できないといったことがあるように、昼寝は子どもの情緒の安定や集中力の向上にも寄与します。日中の活動で疲れた身体を休ませることで、午後からの活動に集中しやすくなります。

ただし、この時期は個人差が大きく、昼寝の習慣が変化してくる時期でもあります。昼寝時間が徐々に短くなったり、昼寝をしない日が増えてくるのは自然な成長過程の一部です。

うちの子、昼寝しないんだけど大丈夫?

厚生労働省の調査でも明らかなように、2歳児の11.5%は昼寝をしていません。昼寝をしない理由としては、睡眠リズムの変化、活動量の増加、興味関心の広がり、イヤイヤ期の影響などが考えられます。午前中に十分な活動をして疲れを感じない場合や、昼食後の眠気を感じにくくなってきた場合など、子どもの生活リズムの変化に伴って昼寝の習慣が変わってくるのは自然なことです。

また、外出や遊びに夢中になって昼寝の時間を忘れてしまうこともあるでしょう。好奇心旺盛な2歳児にとって、日中の活動は刺激的で魅力的。遊びに夢中になるあまり、昼寝をしないこともあります。

イヤイヤ期に突入する子どもの中には、昼寝を嫌がる子もいます。昼寝をしないからといって、必ずしも問題があるわけではありません。子どもの様子をよく観察し、夜の睡眠時間や疲れ具合などを見極めることが大切です。
お昼寝をしなくてもその後の活動が問題なくできていれば、しばらくは様子見で。でも、例えば「夕飯の前にお昼寝してしまって、目覚めてから深夜まで寝付けなくなっちゃった!」などとなれば、対応を考えてみてもいいかもしれません。

昼寝しない子への対応、こんな工夫ができます

昼寝をしない子どもへの対応には、柔軟性が求められます。画一的なスケジュールにこだわるのではなく、例えば、起床時間を早めにして「お昼に眠くなる状態」をあえて作ることで、昼寝の時間帯を調整するというのも一つの方法です。

また、日中の活動内容を工夫するのも一案です。午前中は外遊びや体を動かす遊びを積極的に取り入れ、午後は室内で静かに過ごすようにするなど、メリハリをつけることで、子どもの睡眠リズムを整えることができるでしょう。

なお、このように、子供の生活リズムをこれまでと変える場合は、一気に変更するよりも少しずつ移行していきましょう。一度リズムが整えば、あとはすんなりと寝てくれるようになることも多いですが、そこまでは粘り強さも必要です。

また、保育園や幼稚園で昼寝をしている子どもの場合は、家にいる日も保育園の生活リズムに合わせるのも効果的です。昼食や昼寝の時間を保育園と同じタイミングにすることで、スムーズに眠りにつけるようになります。

昼寝の悩み、こうやって乗り越えよう

昼寝をしない子どもへの対応に悩むのは、多くの親が経験することです。大切なのは、子どもの個性を尊重しながら、柔軟にアプローチすること。子どもの様子をよく観察し、状況に応じて対応方法を変えていくことが求められます。時には、昼寝をしない日があっても大丈夫だと割り切ることも必要です。

それでも悩みが解消されない場合は、通っている保育園や幼稚園の先生や、かかりつけの小児科の先生に相談するのも一つの方法です。例えば、保育園ではすんなり寝てくれるけど家にいる日は寝ないと言った場合は、おうちには子供に「まだ寝たくない」と思わせる、おもちゃなどの誘惑が多いのかもしれません。

また、同じ年頃の子どもを持つママ友と情報交換をするのも心強いサポートになるでしょう。悩みを一人で抱え込まず、周囲の支援を上手に活用することが大切です。

2歳児の昼寝に向き合うママの心構え

2歳児の昼寝事情は千差万別。突然昼寝をしなくなって戸惑う親もいれば、昼寝時間が安定しないことに不安を感じる人もいるでしょう。大切なのは、子どもの発達段階に合わせて期待値を調整し、完璧を求めない子育て観を持つことです。

昼寝をしない時期を乗り越えるためには、親の工夫や努力も必要です。子どもの生活リズムに合わせて柔軟に対応し、できる範囲で環境を整えていくことが大切です。同時に、子どもの自主性を尊重し、昼寝をしない日があっても大丈夫だと受け止める心の余裕も必要です。完璧を目指さず、できることから少しずつ取り組んでいきましょう。

時には、自分自身の休息時間を確保することも忘れずに。ママやパパが心身ともに健康でいることが、子どもの健やかな成長につながります。

まとめ:2歳児の昼寝は無理のない工夫と気楽な心構えで

厚生労働省の調査から見えてきた2歳児の昼寝事情の多様性と変化。3歳から5歳までのデータを見ると、年齢とともに昼寝時間が短くなり、昼寝をしない子どもが増えていく傾向がありますが、個人差も大きいことがわかります。

子どもの個性や発達に合わせた柔軟な対応の必要性を理解し、昼寝をしない時期を乗り越えるための工夫と努力を続けることが大切です。昼寝のスケジュールに振り回されるのではなく、子どものペースに寄り添いながら、できる範囲で環境を整えていきましょう。

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