2024.04.07
  • コラム

歴代の子供の名前ランキング!令和の傾向と昭和・平成との比較

はじめに

明治安田生命保険相互会社が、赤ちゃんの名づけランキングを毎年発表しています。今年はこんな名前が人気なのかと楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。
子どもの名前は、その時代の社会情勢や親の願いを反映しています。近年の名前の傾向を見ていくと同時に、昭和・平成の名前との比較も交えて解説します!

子どもの名前ランキングの変遷を10年単位でチェック

令和5年(2023年)の名前ランキング

順位男の子女の子
1位陽葵
2位陽翔
3位
4位結愛
5位結菜
6位颯真
7位芽依
8位心春
9位陽菜
10位湊斗咲良

平成25年(2013年)の名前ランキング

順位男の子女の子
1位悠真
2位陽翔結愛
3位陽菜
4位
5位大翔ひなた
6位結菜
7位陽太咲良
8位朝陽陽葵
9位大和愛莉
10位

平成15年(2003年)の名前ランキング

順位男の子女の子
1位大輝陽菜
2位七海
3位大翔さくら
4位翔太
5位美咲
6位太陽
7位拓海
8位美月
9位悠斗彩花
10位海斗真央

平成5年(1993年)の名前ランキング

順位男の子女の子
1位翔太美咲
2位拓也
3位健太
4位大樹里奈
5位大輝
6位
7位大輔麻衣
8位大地
9位彩香
10位直樹彩花

昭和58年(1983年)の名前ランキング

順位男の子女の子
1位大輔
2位健太裕子
3位直樹麻美
4位麻衣
5位拓也
6位香織
7位和也明日香
8位智子
9位大介美穂
10位達也美香

昭和48年(1973年)の名前ランキング

順位男の子女の子
1位陽子
2位裕子
3位哲也真由美
4位直樹智子
5位健一純子
6位秀樹恵美
7位香織
8位
9位英樹美穂
10位大輔美香

令和の子どもの名前の特徴

自然や人とのつながりを大切にする名前が人気

令和に入り、子どもの名前には自然や人とのつながりを大切にする傾向が見られるようになりました。男の子の名前では、「碧」や「蒼」など空や海を連想させる漢字が人気を集めています。中でも「碧」は、2022年に初めてランキング1位に輝きました。澄み渡る青空のようなイメージから、コロナ禍を乗り越えて未来を切り開く願いが込められているのかもしれません。

明るく前向きなイメージの名前が好まれる

女の子の名前は「陽葵」が2年連続で1位を獲得するなど、明るく前向きなイメージの名前が好まれる傾向にあります。「陽葵」は太陽を意味する「陽」と、植物の「葵」を組み合わせた名前で、ひまわりのように太陽に向かって伸びゆく力強さを感じさせます。また、「紬」や「凛」など、人とのつながりや凛々しさを連想させる名前も上位にランクインしています。

多様性を受け入れるオープンマインドな名前が増加

読み方のランキングを見ると、「ハルト」が男の子の名前で15年連続1位を維持するなど、古くから親しまれている名前が根強い人気を誇っています。その一方で、「エマ」や「サナ」など外国人も呼びやすい名前がランクインするなど、グローバル化の影響も感じられます。また、「アオイ」のようにジェンダーレスな名前も徐々に浸透しつつあります。

総じて令和の名前は、伝統的な名前を大切にしながらも、多様性を受け入れるオープンマインドな印象を受けます。コロナ禍という困難な時期を経験した親たちが、子どもには自由に生きる強さと優しさを持ってほしいと願っているのかもしれません。

平成の子どもの名前の特徴

「子」の付く名前が減少し、一文字の名前が増加

平成に入ると、それまで主流だった「子」の付く名前が徐々に減少し、代わりに「大翔」や「美咲」など、漢字一文字の名前が増加しました。特に平成初期から中期にかけては、「翔太」や「健太」、「陽菜」や「葵」など、特定の名前が長期的に人気を維持する傾向が見られました。

自然を連想させる名前がブーム

平成10年代には「さくら」や「陽菜」など、自然を連想させる名前がブームとなりました。これは、「ゆとり教育」が浸透し、のびのびと個性を伸ばすことが重視された時代背景と無縁ではないでしょう。一方で、平成後期になると「結衣」や「湊」など、人とのつながりを大切にする名前も増えてきました。

国際的に通用する名前が増加

読み方では、「ハルト」や「ユウマ」など、男女どちらにも使える名前が定着してきたのが特徴です。また、「エマ」や「リオ」など、外国人にも呼びやすい名前も徐々に増加しました。グローバル化が進む中で、国際的に通用する名前を選ぶ親が増えてきたと言えるでしょう。

平成の名前は、個性を大切にしながらも、社会とのつながりを意識したものが多かったように思います。「ゆとり世代」と呼ばれた子どもたちへの期待と不安が、名前にも反映されていたのかもしれません。

昭和の子どもの名前の特徴

昭和前期(戦前・戦中):元号や戦争の影響を受けた名前

昭和初期は、「正一」や「昭二」など、元号にちなんだ名前が人気を集めました。また、戦時色が強まるにつれ、男の子には「勇」や「進」など、力強さを感じさせる名前が多く付けられるようになりました。一方、女の子の名前は「幸子」や「静子」など、おとなしく控えめなイメージのものが好まれました。戦争という暗い時代にあって、母親たちは女の子が目立たず、穏やかに生きることを願ったのかもしれません。

昭和後期(戦後):真面目に働き、学ぶことを重視する名前

戦後になると、「誠」や「勉」など、真面目に働き、学ぶことを重視する名前が増えてきました。高度経済成長期を支えた世代の親たちは、子どもには懸命に働く誠実さを身につけてほしいと願ったのでしょう。また、「純子」や「直美」など、清廉なイメージの名前も好まれました。

バブル景気に沸いた昭和後期:明るく前向きな名前が人気

昭和40年代になると、日本は安定した経済成長を遂げ、豊かな時代を迎えます。そんな中、「大輔」や「陽子」など、明るく前向きなイメージの名前が人気を集めました。バブル景気に沸いた昭和後期は、開放的で活力にあふれた時代だったと言えるでしょう。

昭和の名前は、戦前・戦中の暗い時代と、戦後の経済成長期で大きく変化しました。それぞれの時代の親たちが、子どもたちに託した願いが名前に反映されているのです。

まとめ

昭和、平成、令和と、時代とともに移り変わる名前の傾向を見てきました。昭和前期は戦争の影響を色濃く反映した名前が多く、戦後は経済成長とともに明るく前向きな名前が増えてきました。平成に入ると個性を大切にする名前が主流となり、令和では多様性を受け入れるオープンマインドな名前が増えつつあります。それぞれの時代の親たちが、子どもたちの未来に願いを込めて名づけていることがわかります。名前は、その子の人生だけでなく、時代のアイデンティティを映し出す鏡なのかもしれません。

余談:1位は「リアム」「オリビア」!アメリカの名前ランキングもチェック

日本の名前ランキングを見てきましたが、アメリカではどのような名前が人気なのでしょうか。アメリカ社会保障局が発表した2022年のデータを見てみましょう。

順位 男の子 読み方 女の子 読み方
1 Liam リアム Olivia オリビア
2 Noah ノア Emma エマ
3 Oliver オリヴァー Charlotte シャーロット
4 James ジェームズ Amelia アメリア
5 Elijah エリヤ Sophia ソフィア
6 William ウィリアム Isabella イザベラ
7 Henry ヘンリー Ava エヴァ
8 Lucas ルーカス Mia ミア
9 Benjamin ベンジャミン Evelyn イヴリン、イーヴリン
10 Theodore セオドア Luna ルナ

日本とは全く異なる名前が並んでいますね。興味深いのは、アメリカでは聖書に由来する名前が非常に人気だということです。上位にランクインしている「Elijah」「James」「Benjamin」などは、いずれも聖書に登場する人物の名前です。キリスト教文化が根付いているアメリカならではの傾向と言えるでしょう。

また、「Luna」や「Aurora」など、自然をイメージさせる名前も人気を集めています。これは近年の日本でも見られる傾向で、「陽葵」や「蒼」など自然を連想させる名前が増えつつあります。

国が違えば人気の名前も大きく異なりますが、その国の文化や価値観が名付けに影響を与えているという点では、日本もアメリカも共通しているのかもしれません。日本の名前の変遷を追うのも興味深いですが、世界の名前事情にも目を向けてみると、また違った発見があるかもしれませんね。

(引用元:https://www.ssa.gov/OACT/babynames/index.html

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